やぎんの雑多ブログ

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「ニューヨーク炭鉱の悲劇」|村上春樹さんの短編小説についての僕の解釈(意味)・感想・伝えたいと感じたこと

ニューヨーク炭鉱の悲劇|村上春樹さんの短編小説についての僕の解釈(意味)・感想・伝えたいと感じたこと

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「ニューヨーク炭鉱の悲劇」|<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BC%BE%E5%BD%D5%BC%F9">村上春樹</a>さんの短編小説についての僕の解釈(意味)・感想・伝えたいと感じたこと

どーも、やぎんです。

 

今回は村上春樹さんの短編小説、「ニューヨーク炭鉱の悲劇」を読んでの感想、作者が伝えようとしているように感じたこと(解釈)について書こうと思います。

今後、村上春樹さんの小説についての記事を時々投稿すると思います。

 

 

 

はじめに

僕は村上春樹さんの小説の中でも特に短編小説を好んで読んでいます。短編小説が好きだからです。

 

そんな中で「めくらやなぎと眠る女」という短編集の中の「ニューヨーク炭鉱の悲劇」という短編を読み、強く惹かれたのでこの記事を書くことにしました。

 

あくまで以下の解釈は僕の解釈なので、ご承知願います!!

それでは行きましょう。

 

解釈

【大きなテーマとして】

まず、この短編の大きなテーマであると僕が思ったのは「死」というものです。

話のなかでは主人公の周りでたくさんの友人たちが「死」を迎えます。

この話の中では「死」というものがどのようなものとして描かれているのでしょうか?

 

【「ニューヨーク炭鉱」は何を表しているか】

物語の終盤では、急に炭鉱で作業をする人たちの描写に変わります。このシーンは何を表すのでしょうか。

僕は、この炭鉱で働く人々が「死」を表しているのだと思います。

 

本文では、

「坑夫たちは闇の中で身を寄せあい、耳を澄ませ、ただひとつの音が聞こえてくるのを待っていた。つるはしの音、生命の音だ。」

とあります。

つまり、坑夫たちは息を殺して、彼らの上で穴を掘っている人たちの様子をうかがっているのです。

つまり、私たちが生活していることを「穴を掘ること」に例えていて、偶然に坑夫たちの掘っている穴につるはしをかけてしまうと、私たちは深い穴に落ちてしまう(死んでしまう)というわけです。

 

ここで僕が感じたのは、作者はそれをあまり悲劇的な物事として描いていない点です。

坑夫(死)たちは、自分たちの仕事である採掘をただ行っているだけであり、人々はたまたまその穴につるはしをかけて穴に落ちてしまうのです。

 

つまり、「死」というものの偶然性、唐突性、無差別(無区別)性 が表現されています。

 

【「喪服を借りに行く」ことについて】

主人公は友人が死ぬたびに、ある知人に喪服を借りに行きます。

この行為は何を表しているのでしょうか?

 

本文で主人公は喪服についてこう言っています。

「自前のを買わなくちゃいけないとは思うんだけど、うまく買えないんだ。喪服を買うことで、なんだか誰かが死ぬのを認めてしまうような気がするんだ」

 

つまり、主人公が知人に喪服を借りに行く行為は、友人の死を事実として受け止めるための「覚悟」や「精神的な体力」を無理にでもかき集めていることを表しているのではないかと思いました。

「死」というものの重さが暗に示されています。

 

【動物園についての知人の話】

主人公が知人の家にあがったとき知人は、夜の動物園の雰囲気についてこう話しています。

「まるで地面が方々で音もなく裂けて、そこから何かが這い上がってくるような、そんな気がしたね。そして夜の闇の中をね、地の底から這い上がってその目に見えない何かが蹂躙しているんだ。」

これはきっと、「死」のことを言っているのでしょう。

 

【パーティーで会った女性について】

主人公はパーティーで「主人公に似た人を殺した」という女性に話しかけられ少し会話をします。

そこでは女性は、その殺人について特に罪悪感を感じていたりおかしいことと捉えたりはしていないように見えます。

 

僕は、この女性も「死」というものの一面を表しているように思います。

 

もちろん「死」というものは生き物ではなく感情を持つわけではありませんから、罪悪感を感じたりはしないでしょう。

つまり、本当にただのタイミングの偶然や場所の偶然などが重なって人が死んでしまうような事故もあるということを言っているのではないでしょうか。

 

その人が「良い人か悪い人か」「若いか年寄りか」「人生を楽しんでいるかいないか」などの違いを、「死」や「事故」が判断してから、人を襲うわけではないのです。

とにかく無差別的に、偶然にそれはやってくることもあるのです。

そのことの残酷さや無念さをどうしても感じてしまいます。

 

感想

ここまで僕の解釈について述べてきましたが、僕はこの作品を読んで、

「いつ死が迎えに来るかは分からないのだから、出来るだけ今日という一日を楽しんだり自分にとって有意義なモノにしよう」

と感じました。

 

印象的だったセリフ

印象的だったセリフは幾つか僕にとってありましたが、特に印象に残ったセリフを書き残しておきます。

 

「夜中の三時には人はいろんなことを思いつくものなんだ。(中略)

 だからひとりひとりがそれに対抗する方法を考えなくちゃいけない」

 

さいごに

さて、いかがだったでしょうか。

今後も村上春樹さんの作品についての記事を書くことがあると思いますので、今後も何卒よろしくお願いします!

 

なにか質問やコメントなどあれば、ぜひ!

ここまで読んでいただいてありがとうございます!

 

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